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●山と人の物語 vol.4 『雪とともに生きる 〜冬の山と薪のはなし〜』
はじめに冬の山は静かです。すべてが雪に包まれ、音も吸い込まれてしまうような、凛とした空気が広がります。そんな中でも、私たちの仕事は止まりません。雪に閉ざされた道を越え、凍てつく山へと入り、薪を届ける日々。今回は、冬の林業と薪づくり、そしてその裏側にある想いをお伝えします。白い静寂の中へ 〜冬の山の表情〜山が雪に覆われると、見慣れた景色も一変します。木々の枝には雪が積もり、地面の起伏すらわからない白い世界に変わる。一歩一歩が慎重さを求められる、まさに“別の山”です。けれど、そんな中でこそ感じられる美しさがあります。朝の陽光が雪面に反射する瞬間、山の静けさが心に染み渡る時間。私たちは、ただ作業をこなすだけでなく、この自然とともに生きているのだと、冬になるたび実感します。雪の中の仕事術冬の作業には、独自の工夫と覚悟が必要です。雪に覆われた現場では、伐倒方向の見極めも一層慎重になります。枝が雪の重みで垂れていたり、地面が凍っていたり──夏とはまったく異なる“山の表情”に向き合わねばなりません。配達もまた、ひと苦労です。タイヤチェーンを装着し、凍結した道を走る。吹雪で視界が奪われる中でも、安全に薪を届けるには高度な判断力が求められます。スタッフの中には、月山道でチェーンが切れ、猛吹雪の中で救助された経験を持つ者もいます。その経験があるからこそ、今では「雪道でも自信を持って走れるようになった」と語ります。薪がつなぐ冬のくらし冬こそ、薪がもっとも求められる季節です。寒さの厳しい東北地方では、薪ストーブの火は、ただの暖房ではありません。“暮らしの中心”であり、“家族の団らんの源”なのです。そんな暮らしを支える薪を、自分たちが届けている──その実感は、スタッフのやりがいにもつながっています。「よく燃えて暖かかったよ」「またお願いね」そんな言葉をいただくたびに、厳しい雪の中を越えてきた意味が報われる気がします。おわりに雪の季節。それは厳しさの中に、美しさと意味が宿る時間でもあります。山と向き合う者として、薪をつくる者として、そして人と人をつなぐ仕事をする者として──私たちはこれからも、雪とともに、生きていきます。次回は、林業と福祉の接点に迫る「山が支える、誰かの働く場所」をテーマにお届けします。どうぞお楽しみに。
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2025.05.11
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森の恵み・山師からのお便り
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