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▼「1000の嫌いよりも1の大好き」

島沢 優子さんの
いじめられても不登校にならなかった子が学校に行けた理由は?から抜粋しました

あるがままを受け入れられているか、が一番大事なのに
なんと、条件をつけている場合が多いなと感じている。

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ソックスから、パラパラと砂がこぼれてきた。
「これ、どうしたの?」
洗濯機を背に母親が尋ねると、
小学5年生のA子は(しまった)というような顔をして、うつむいた。

 「ママね、怒ってるんじゃないんだよ。砂は自分で入れたの? それとも……」

 A子は、同じクラスの女子数人からいじめを受けていた。

 ノートには「死ね」「かっこつけ」「大キライ」の落書き。
机の上に雑草を山のように盛られ、
体育の時間が終わって教室ではこうとしたくつ下には大量の砂が入れられていた。クラス委員長で成績も良いため、疎まれていたようだ。

 しかし、頑張り屋のA子は不登校にならなかった。
「楽しいこともある。嫌なことばかりじゃないから行く」と言うのだ。

 ごくたまに気持ちがついてこない日は学校に行かない。
休むのは木、金が多かった。そのまま4連休できる。
母親と家でパズルやゲームをしたり、買い物や日帰りの旅行にも出かけたりした。

 担任に恵まれたこともプラスに働いた。
休む理由など一切聞かれず、数日ぶりに登校してもごく普通に接してもらえた。

 年間通算30日以上欠席すると「不登校児」にカウントされる。
だが、A子は結果的に5年、6年とも30日に満たなかった。

 それでも相当無理をしているはずだ
――不安を覚えた母親は、6年生の途中で娘をカウンセリングに連れていった。

 「どうして学校に行けたの?」

 カウンセラーに尋ねられたA子は、はにかんだような笑顔で答えた。

 「1000個の大キライは、ひとつの大好きに負けちゃうんだ」

 母親は「ママはA子ちゃんが大好きだよ」と言い続けていた。

 「髪の毛はさらっさらだし、目はくりっくりでしょ? 体はぐにゃぐにゃでブリッジもできちゃう。すごいねえ」
こんな母の言葉や「大好き」が、学校へ行くガソリンになった。

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あるがままを受け入れられているか、
人はあるがままを受け入れているとそれだけで力があふれてくる。



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