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▼勤勉だった日本人

今年は例年と比べて積雪が少なく、ここ白鷹町も3月になってだいぶん春めいてきました。除雪の費用も例年と比べて100万円以上少なく、大変助かっています。
 世の中には私のように雪が少なくて喜ぶ人もいれば、困る人もいます。困る人の最たるものは、スキー場でしょう。土曜日の午後に蔵王スキー場までバイクで(!)行って見てきましたが、遠くから見ても積雪はだいぶん少ないようでした。スキー場関係者の恨み節が聞こえてくるような気がしました。
 困る人のその2は、除雪を担当する建設会社です。降雪地域では、1年の利益の7割を除雪作業で得ている会社もあるとのことです。ある建設会社の社長さんが最近とみに不機嫌だといううわさを聞きました。
 雪が降ると増えるのが交通事故です。車が壊れるので板金屋さんは大忙しです。今年は板金屋さんの嘆き節が聞こえてきそうです。交通事故が増えると忙しくなるのが、整形外科です。そういえば今年は交通事故の患者さんが心持ち少ないです。売上減になりますが、私は雪が年を取るにつれて大嫌いになってきたので、売り上げ減でもうれしいばかりです。私の趣味のバイクにも乗れるし。
 農家の人も結構困る人がいるようです。雪の重みがないと田の土が締まらずよくないのだそうです。また花の芽吹きが早くなり、そこに低温が来ると野菜の生育に大打撃になってしまう事もあるとのことです。やはり、気候変動は少ない方が大多数の人には良い事なのですね。
 気候の話が長くなってしまいましたが、本日の主題に戻りたいと思います。
日本人の長所はその勤勉さにあると、今までは世界中で認知されてきたと思います。事実、明治、大正、昭和と、日本は西洋の列強に肩を並べるまでになり、あえて大東亜戦争と言わせていただきますが、その戦争に負けて廃墟から立ち上がり、高度済成長を経て世界第2位の経済大国(現在は世界第4位に後退しましたが)となったのは、我々のご先祖様の勤勉さの賜にほかなりません。私が医師になった時(約40年前)までは、医師は「月月火水木金金」で休みがないのが当たり前の時代でした。その後公務員が4週6休となり、民間にもそれを広めようと国が主導した時、私は「公務員が自分たちの休みをごまかすために民間も強制的に休ませようとしている。」と思っていました。それがさらに4週8休が当たり前の時代になりになりました。現在日本の会社の就業規則では、労働者は年間平均120日間の休日をとるようにと定めています。医療法人社団聡明会でもそうです。つまり現在日本人は3日間のうち1日休む国民なのです。昔何かでみたことがあるハワイでウクレレを弾いている気楽な太った現地の人を想像してしまいます。
ただでさえ、生活保護世帯が200万世帯もあり、人口減少が確実に進行し、65歳以上の高齢者が全人口の45%を占めるようになってきた日本で、国民が3日に1日休むなんて、日本は間違いなく滅びていくとしか思えません。来年度からは働き方改革関連法案でさらに5日間の休日を認めるようにという事になったようです。3日に1日以上休む国民になるのです。また、労働基準監督署は労働者に基本的には残業させてはいけないという。今の日本人は高度経済成長期の昭和30年代の労働者と比較してずっと働いていないのです。今の日本人は休み過ぎと思います。
厚生労働省は残業の過労死ラインは月80時間と言っています。医師はそのラインをはるかに超えている人はとても多いです。医師は別だと言って、医師を牛馬のように働かせているのが今の日本の現状です。私は今週の日曜日は長井市西置賜郡医師会の休日診療所勤務でした。ほぼ4週4休か4週5休です。施設での利用者の方の看取りもしているので、年中無休かな。
 医師以外の職種でも過重労働で苦しんでいる人たちがたくさんいます。みゆき整形外科クリニックにも明らかに過労と思われる人がたくさん来院されます(特に土曜日)。その人たちを救う施策をすべきであって、日本人全員をひとくくりに3日に1日以上休めというのはどう考えてもおかしい。国に再考を促したいと思います。

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