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▼今月展のみどころ〈1〉

今月展のみどころ〈1〉/
現在、広重美術館では開館15周年記念展「山形・天童×広重・浮世絵」を開催中です。
今日から数回にわたって、展覧会のみどころをご紹介します。

まず1作品目は「湯殿山道中略図」。
これは、山形市内の八日町、十日町、七日町の羽州街道沿いの町並みを描いた浮世絵版画で、絵師は初代広重、出版は十日町にあった崑崙堂という版元です。
当時、広重が山形に来たかどうかは定かでありませんが、作品中に「霞峰先生図 東都一立斎廣重 応需模写」と書かれているため、山形在住の絵師・霞峰の絵をもとに広重が模写したものと考えられます。
またこの作品には、街道から蔵王山方面を眺めた【東方】と、出羽三山方面を眺めた【西方】の2種類があります。
それぞれ“変わり摺り”があることがわかっていて、今回は県内の施設等から複数の作品をお借りしています。空の色が違ったり、のれんの紋が違ったり、同じ店でも開いているのと閉じているのがあったり…ちょっとした変化ですが、そこには崑崙堂の意図があるように思います。「なぜそうしたのか」謎はたくさん残されていますが、興味深い作品です。
何より山形県民にとっては馴染みの場所ですので、より身近に浮世絵を感じてもらえるのではないかと思います。現在も続いている老舗も描かれていますし。

ぜひご覧ください!


開館15周年記念展
【山形・天童】×【広重・浮世絵】
10月29日(月)まで開催中!(火曜日休館)

2012/10/06 15:57 (C) 広重美術館
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